11.42026
ウズベキスタン、ガス未供給地域の冬の電気代を軽減 低料金枠を月350kWhに拡大
ウズベキスタン政府は2026年10月31日、家庭向け電力料金の基準を改めた。天然ガスが供給されない地域や、供給が困難な地域が対象だ。冬季に低い料金単価が適用される使用量を、月200kWhから350kWhへ拡大した。
政府決定第601号によるもので、11月1日に施行された。
ガスの供給状況によって電気料金を変えるのは、家庭で暖房や調理に使う燃料が関係するためだ。
なぜガスがない地域で電気料金を変えるのか
ウズベキスタンでも、日本と同様に電気は電力網を通じて家庭へ供給される。今回の改正は、発電所の燃料や送電方法を変更する制度ではない。
関係するのは、各家庭が暖房や調理に何を使うかという問題だ。
配管による天然ガスが届く家庭では、ガスを暖房や調理の熱源として使える。一方、ガス管が届かない家庭では、ボンベ入りの液化石油ガス(LPG)を利用することがある。
こうした家庭が電気ストーブなどで暖房を行えば、冬の電気使用量は増える。日本でも、都市ガスのない住宅でLPガスや電気暖房を使う状況に近い。
ウズベキスタンの経済・財務省の担当者は2026年10月、天然ガスが供給されない世帯が約400万あると説明した。
また、そうした地域の家庭の約6割は、冬季の電力使用量が月300kWh以下だったという。政府はこの利用実態も踏まえ、350kWhへの基準引上げを進めてきた。
月300kWh使う家庭なら、電気代はどう変わる?
ウズベキスタンの家庭向け電力料金には、使用量に応じた段階別の単価がある。
一般家庭の通常料金では、低料金枠内の電力は1kWh当たり650スムだ。これを超える一定の使用量には900スムの単価が適用される。
今回の変更は、電力そのものの単価を下げるものではない。650スムの単価で使える電力量の上限を増やす仕組みだ。
例えば、ある家庭が冬に月300kWhの電気を使ったとする。
従来の月200kWh基準では、最初の200kWhに650スム、残り100kWhに900スムの単価が適用される。
電気代は合計22万スムとなる。
新しい350kWh基準の対象世帯なら、300kWhすべてに650スムの単価が適用される。電気代は19万5,000スムとなり、月2万5,000スム安くなる。
月350kWh使う家庭の場合、同じ料金区分での差額は3万7,500スムだ。
ただし、これらは一般家庭向け料金による計算例となる。集中設置された電気コンロを備える集合住宅などには、別の料金区分がある。
前日の液化ガス値上げとは何が違う?
ウズベキスタンでは、家庭向けLPGの値上げも決まっている。
10月31日付の別の政府決定第602号により、11月15日からLPGの小売価格は1kg当たり2,000スムから5,000スムとなる。価格は2.5倍になる。
LPGは、プロパンやブタンなどを液化した燃料だ。日本の家庭でも使われるLPガスに相当する。
二つの制度は、対象とするものが異なる。
液化ガスの制度変更は、ボンベなどで供給されるガスの販売価格を引き上げるものだ。
今回の電力制度変更は、天然ガスの供給がない地域などで、電気の低料金枠を拡大するものだ。
例えば、ある家庭が1か月にLPGを10kg購入するとする。
従来のガス本体価格は2万スムだった。11月15日からは5万スムになる。
ただし、生活困窮世帯などには、購入したLPGの1kgにつき3,000スムの補償がある。補償対象となる購入量は月20kgまでだ。
10kgを購入した対象世帯なら、購入後に3万スムが補償される。配送費などを除いた実質負担は、従来と同じ2万スムになる。
一方、同じ家庭が冬の電気を300kWh使い、350kWh基準の適用対象になれば、電気代は前述の計算例で2万5,000スム軽減される。
つまり、ガスの購入費用と電気の使用料金に、それぞれ異なる支援の仕組みがある。
両制度が適用される家庭もあるが、LPG利用者すべてに350kWhの電力基準が適用されるわけではない。
350kWhの基準はどの家庭に適用される?
電力基準の拡大は、天然ガスの供給がない地域と、供給困難地域を対象とする。
供給困難地域には、ガス管があっても寒い時期に十分な天然ガスを届けられない地域が含まれる。
適用期間は地域によって異なる。
カラカルパクスタン共和国とホラズム州では、10~2月が制度上の暖房期だ。その他の地域は11~2月となる。暖房期以外の基準は月200kWhだ。
対象となる家庭の名簿は、地方行政当局が毎年承認する。エネルギー省とガス・電力供給会社の提案に基づく仕組みとなっている。
低所得世帯への一時支援も実施
政府決定第601号は、冬季の生活支援についても規定した。
一定の要件を満たす生活困窮世帯などには、2026年11月に100万スムの一時金を支給する。電力・天然ガス料金の補償に関する所得要件なども改めた。
ウズベキスタンでは、液化ガスの調達・供給制度の改革と、冬季の電力料金負担を抑える措置が並行して進んでいる。
関連記事
ウズベキスタンの家庭用液化ガス、なぜ価格が2.5倍に? 供給不足と補助金改革の背景
出典
Spot.uz(2026年11月2日)
[原文の記事はこちら]
Spot.uz(2026年10月17日)
[原文の記事はこちら]
公式発表
ウズベキスタン閣僚会議・決定第601号(2026年10月31日)
[公式発表はこちら]
ウズベキスタン閣僚会議・決定第204号(2024年4月16日、旧規定)
[公式発表はこちら]
ウズベキスタン・エネルギー省(2026年5月20日、家庭向け電力料金)
[公式発表はこちら]
ウズベキスタン閣僚会議・決定第602号(2026年10月31日、液化ガス関連)
[公式発表はこちら]
AIの利用について
本記事の作成には生成 AI を利用しています。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。詳細については、上記の出典および公式発表をご確認ください。


