ロシア・ウクライナ・中央アジア情報

タジキスタン、中小企業の検査停止を2029年まで延長 税務検査は対象外

タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領は2026年10月28日、中小企業の事業活動に対する行政検査を2029年1月1日まで停止する大統領令第1237号に署名した。

税務当局による検査は対象外となる。政府には、命令の実施に必要な法令を1か月以内に提出するよう指示した。

タジキスタンでは、行政機関による根拠のない検査や企業活動への不当な介入が問題となってきた。政府は検査の重複や企業への負担を減らし、中小企業が事業を継続しやすい環境を整える方針だ。

行政検査の対象は衛生・防火・労働安全など

タジキスタンの「事業者活動検査法」は、行政機関が企業の法令順守状況を調べる制度を定めている。

検査の対象は、衛生基準、防火対策、職場の労働安全、環境保護、商品規格、商取引のルールなど幅広い。

例えば、飲食店の衛生状態、工場の防火設備、労働者の安全対策、商品の規格への適合などを行政機関が確認する。

日本でも保健所による衛生監視、消防署による立入検査、労働基準監督署による事業場の調査が行われている。タジキスタンの検査も、基本的には健康被害や事故を防ぎ、企業に法律を守らせることを目的とする。

同国の法律は、検査の実施には法的根拠が必要で、企業活動への過度な介入や複数機関による検査の重複を避けるよう定めている。

2025年に導入した検査停止措置を延長

タジキスタンでは、2025年1月10日付の大統領令第915号により、事業者への検査を2027年1月1日まで停止していた。

新たな大統領令は、中小企業を対象として停止期限を2029年1月1日まで延ばす内容となっている。

ただし、すべての行政検査が無条件に禁止されるわけではない。

2025年に制定された検査停止法は、税務当局による検査を対象外としている。また、生活必需品の価格管理、政府の指示、企業の清算手続き、刑事事件に関する捜査など、法律に定める場合には検査を認めている。

ラフモン大統領は2026年10月14日の企業家・投資家との会合でも、検査停止の延長方針を示していた。今回の大統領令によって、その方針が正式な命令として示された。

不当な検査や行政による介入が問題に

タジキスタンでは、行政機関が法的根拠の乏しい検査を実施したり、企業に不必要な資料の提出を求めたりする問題が指摘されてきた。

同国の検察庁は2026年5月15日、企業の検査停止制度や事業者の保護・支援に関する法令の順守状況を調べた結果を公表した。

それによると、2024~2025年に1,842件の法令違反を確認した。違法な行政行為への異議申し立てや関係者の処分を行い、64件の刑事事件を立件したという。

検察庁は、監督機関による企業活動への不当な介入や、正当な理由のない検査が行われていることも問題として挙げた。

これらの違反には、検査停止制度だけでなく、事業者保護・支援に関する法令違反も含まれている。

行政腐敗や賄賂も投資環境の課題

行政手続きをめぐる腐敗の問題は、国際機関の調査でも取り上げられている。

世界銀行が2024年に実施した企業調査では、税務当局による検査や面談の際、贈答品や非公式な支払いを求められたと回答した企業があった。

米国商務省も2026年1月の市場環境報告で、タジキスタンでは税務制度の運用が不透明で、企業から税務検査が恣意的だと指摘されていると説明している。

今回の大統領令では税務検査が停止対象外となる一方、通常の行政検査については、企業への過度な負担や不当な介入を防ぐことが重視されている。

検査制度の見直しと中小企業支援へ

ラフモン大統領は10月14日の演説で、行政機関が権限を超えて企業活動へ介入したり、意思決定を不当に遅らせたりしてはならないと強調した。

検査を行う場合は、明確な法的根拠を示すことも求めている。

また、中小企業以外の事業者に対する2027年以降の検査については、法律とリスク評価に基づいて実施する方針を示した。

今回の検査停止措置は、中小企業の行政負担を抑えると同時に、検査権限の適正な運用を進める政策の一環となる。

今後、政府は大統領令に基づく関連法令の整備を進める。

公式発表
タジキスタン大統領府(2026年10月28日・大統領令第1237号)
[公式発表はこちら]

タジキスタン大統領府(2026年10月14日・企業家・投資家との会合での演説)
[公式発表はこちら]

タジキスタン国家立法センター(事業者活動検査法)
[公式発表はこちら]

タジキスタン国家立法センター(2025年2月11日・事業者活動検査停止法)
[公式発表はこちら]

タジキスタン検察庁(2026年5月15日)
[公式発表はこちら]

世界銀行(2024年企業調査、2025年公表)
[公式発表はこちら]

米国商務省・国際貿易局(2026年1月21日)
[公式発表はこちら]

AIの利用について
本記事の作成には生成AIを利用しています。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。詳細については、上記の公式発表をご確認ください。

関連記事

コメントは利用できません。
お電話、メールでも 
お受けしております。
TEL1:045-482-5950
TEL2:045-482-5951
FAX:045-482-5951
Mail:お問い合わせページより
社団法人 日本翻訳連盟
プライバシーマーク

株式会社ニプロスは、プライバシーマークを取得し個人情報保護に努めております。