10.282026
ウクライナ議会、銀行利益税率50%の2027年延長案を第1読会で可決
ウクライナ最高会議(国会)は2026年10月27日、銀行利益に対する法人税率50%を2027年も維持する税法改正案を、第1読会で可決した。法案番号は第15262号で、賛成265票を得た。
2026年の銀行利益税率は、現行法ですでに50%となっている。法案はこの特例を2027年まで延長するとともに、過年度損失の控除制限も1年間延ばす内容だ。
銀行の50%税率を2027年も維持する案
ウクライナでは、銀行の利益に対する法人税の基本税率は25%だが、2026年には50%の特例税率が適用されている。
今回の法案は、税法第XX章「経過規定」の第73項を改め、適用期間を「2026年」から「2026~2027年」に変更する。
この50%は銀行の課税対象利益に適用される税率で、預金残高や売上高に課す割合ではない。
高い税率の背景に戦時財政と銀行の利益
高い税率の背景には、ロシアによる軍事侵攻が続くなか、国防費などの財源を確保する狙いがある。
法案の共同提出者であるダニーロ・ヘトマンツェフ議員は、銀行が国債や中央銀行の預金証書などの運用で多額の利益を得ていると説明。こうした利益の一部を国防費に充てる考えを示している。
ヘトマンツェフ氏が示した数字によると、2026年1~8月の銀行業界全体の税引き前利益は約1,431億フリヴニャだった。
一方、税引き後の純利益は716億6,000万フリヴニャで、前年同期を32.7%下回った。銀行業界は高い利益を維持しているものの、税負担も大きくなっている。
2027年の国家予算案には、50%税率の延長を前提に、銀行利益税による385億フリヴニャの追加歳入が織り込まれている。これは2027年1~9月の課税期間を対象とした見通しだ。
一方、ウクライナ中央銀行は、高い税負担が銀行の自己資本の蓄積を抑え、融資拡大を難しくすると指摘している。2026年6月の金融安定報告では、企業向け融資が拡大するなか、増税が銀行の成長余力を制約していると説明した。
過年度損失の控除も1年先送り
法案では、過去の年度に生じた税務上の損失についても、2027年まで控除制限を続ける。
現行法では、所定の過年度損失を2027年1月1日以降の課税計算に利用できる。一方、改正案では、その開始時期を2028年1月1日に繰り下げる。
企業が過年度の赤字を将来の利益から差し引ける時期に関わるため、税率だけでなく、課税所得の計算にも影響する規定となっている。
第2読会に向けた審議が続く
最高会議は10月27日、第1読会で法案を基本的に承認し、第2読会に向けた修正作業に進めることを決めた。
提出された法案には、成立した場合、正式公布の翌日に施行する規定も盛り込まれている。政府には施行後1か月以内に関連法令を整備するよう求める内容だ。
2027年の税率延長と損失控除制限は、今後の審議を経て最終的な法律として確定する。
出典
Interfax-Ukraine(2026年10月27日)— 法案の第1読会可決と銀行利益の実績
[原文の記事はこちら]
公式発表
ウクライナ最高会議(2026年10月27日)— 銀行利益税法案の第1読会可決
[公式発表はこちら]
ウクライナ最高会議(2026年5月20日登録)— 法案第15262号の本文・新旧比較表・審議状況
[公式発表はこちら]
ウクライナ最高会議(2026年6月19日)— 銀行利益への高率課税に関する法案提出議員の説明
[公式発表はこちら]
ウクライナ中央銀行(2026年6月29日)— 金融安定報告と銀行課税の影響
[公式発表はこちら]
ウクライナ最高会議予算委員会(2026年10月)— 2027年予算案の歳入見通し
[公式発表はこちら]
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