11.52026
ロシア政府、ソフコムフロート株の一部売却を準備 財政収入と市場改革も背景
ロシア連邦国有資産管理庁は11月3日、国営海運大手ソフコムフロートの政府保有株式について、売却を準備する事業者の公募を開始した。応募期限は11月17日となっている。
ロシア政府は、保有するソフコムフロート株の一部を売却する計画だ。売却対象は、同社の発行済み株式全体の約7.8%に相当する。
売却後も政府は、全株式の75%に加えて1株を保有し、経営の支配権を維持する。
原油や液化天然ガスなどの海上輸送を担う重要企業で、国の経営上の影響力を残しながら株式の一部を市場へ移す計画となる。
政府が株式を売却する理由
ロシア財務省は11月4日、売却準備について説明した。
財務省は、ソフコムフロートの事業拡大や好調な財務実績、2026年の配当再開などを判断材料として挙げた。
また、国有企業の株式を市場で取引できるようにすることは、政府が進める金融市場発展政策の一環でもあると説明した。
一方、政府が保有株式を売却すれば、その代金は連邦予算の収入となる。
ロイターは11月3日、ロシア政府が財政赤字を補うため追加の収入源を模索していると報じた。同通信によると、2026年の財政赤字は国内総生産(GDP)の3.2%に達する見通しだ。
ただし、財務省は今回の売却について、市場環境を考慮して時期や規模を判断するとしている。
2020年の株式上場とは異なる仕組み
ソフコムフロートは以前、ロシア政府が全株式を保有していた。
2020年10月にモスクワ取引所へ上場し、新株発行によって株式の17.2%相当を投資家に公開した。この結果、政府の持分は82.8%となった。
当時は会社が新たに株式を発行し、資金を調達する方式だった。調達資金は新規事業への投資や債務削減などに充てる方針が示されていた。
これに対して今回の売却は、政府が既に保有している株式を投資家に売る計画だ。新株発行を伴わないため、売却代金は会社ではなく政府に入る。
政府の持分は、予定数量の売却が完了すれば82.8%から75%プラス1株に下がる。
売却収入は約150億ルーブルとの試算
ロイターは11月3日の市場価格を基に、売却収入を約150億ルーブルと試算している。
これは株価を基にした概算で、実際の売却価格や取引時期は今後決まる。
今回の公募で選ばれる事業者は、売却対象株式の市場価値を評価する。さらに、連邦予算への収入を最大化するための売却方法を検討する。
応募書類の開封は11月18日に予定されている。
株式市場への影響は
売却が予定どおり実施されれば、政府以外の投資家が保有する株式の比率が高まる。
ロシアの経済メディアRBCは11月4日、専門家の見方を紹介した。
市場で自由に売買できる株式が増えれば、売買の成立しやすさが改善する可能性があるという。
一方、投資家が売却価格をどう受け止めるかによって、株価には変動が生じ得る。
ソフコムフロートは、ロシアの原油や石油製品、液化天然ガスなどを運ぶ海運会社だ。こうした輸送はロシアの資源輸出を支えている。
同社は2024年2月、米国財務省の制裁対象に指定された。国際的な制約が続く中でも、ロシア政府は重要な海運会社の支配持分を維持する計画だ。
今回の動きは、株式売却そのものの実施ではなく、その準備を担う事業者の選定開始に当たる。
出典
Interfax(2026年11月3日)
[原文の記事はこちら]
Interfax(2026年11月4日)
[原文の記事はこちら]
Reuters(2026年11月3日)
[原文の記事はこちら]
RBC(2026年11月4日)
[原文の記事はこちら]
公式発表
ソフコムフロート(2020年年次報告書、株式上場の記録)
[公式発表はこちら]
ソフコムフロート(2020年年次報告書、資金の使途)
[公式発表はこちら]
米国財務省(2024年2月23日)
[公式発表はこちら]
AIの利用について
本記事の作成には生成 AI を利用しています。内容の正確性・完全性を保証するものではありません。詳細については、上記の出典および公式発表をご確認ください。


