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ロシア下院、2027~2029年の連邦予算案を第1読会で可決 2027年の財政赤字は5.44兆ルーブル

ロシア連邦議会下院(国家会議)は2026年10月29日、2027年の連邦予算と2028~2029年の計画期間を対象とする予算案を第1読会で可決した。採決結果は賛成372票、棄権51票、反対0票だった。

政府が9月30日に提出した予算案では、2027年の歳入を43.30兆ルーブル、歳出を48.74兆ルーブルと見込む。財政赤字は5.44兆ルーブルで、国内総生産(GDP)の2.2%に相当する。

今回の予算案は、国防・安全保障への大きな支出を維持しながら、歳出全体の伸びを抑え、税収の確保や国債発行によって財政を運営する計画となっている。

財政赤字は2026年より縮小する計画

ロシア財務省は、2026年の連邦財政赤字を約7.34兆ルーブル、GDP比3.2%と見込んでいる。

これに対して、2027年予算案の赤字は5.44兆ルーブル、GDP比2.2%。政府は2026年の最新見込みより赤字を縮小する計画だ。

ただし、前年に策定された2027年の当初計画では、赤字は約3.19兆ルーブル、GDP比1.2%だった。今回の案は、その当初計画よりも赤字額を大きく引き上げたことになる。

つまり、2026年の最新見込みと比べれば赤字縮小を目指す一方、以前の2027年計画と比べると財政収支の見通しは悪化している。

国防費は従来の2027年計画から約27%増

2027年予算案の最大の歳出項目は国防費で、17.15兆ルーブルを計上する。歳出全体の35.2%に当たり、国の支出の3分の1以上を占める。

この金額は、前年に策定された2027年向けの当初計画約13.5兆ルーブルから約27%増えた水準だ。ウクライナ侵攻が始まった2022年以降、国防費は高い水準で推移しており、今回の案でも国防が主要な支出先となっている。

国防費以外では、社会政策に6.65兆ルーブル、国民経済に4.62兆ルーブル、国家安全保障・法執行に4.29兆ルーブルを計上する。

社会政策は年金などの社会的支出、国民経済は産業や交通など経済活動を支える分野の予算を含む。国防と治安・安全保障の両分野に大きな予算を配分する構成となっている。

歳出総額の伸びは抑える一方、利払い負担が増加

ロシア財務省による2026年の歳出見込みは約48.53兆ルーブル。2027年の48.74兆ルーブルは、金額では約0.4%の増加にとどまる。

経済規模に対する歳出の割合も、2026年見込みのGDP比20.9%から、2027年には19.6%へ低下する計画だ。支出額そのものを大幅に減らすのではなく、歳出の増加を抑えることで財政赤字の縮小を図る。

一方、国債など政府債務の利払い費は、2027年に4.57兆ルーブルを見込む。これは歳出全体の9.4%に相当する。

利払い費は新しい行政サービスや施設を直接増やすための支出ではなく、政府の借入金に対する利息を支払う費用だ。借入残高が増えれば、こうした支出が今後の予算を制約する要因にもなる。

予算案では、政府債務残高のGDP比が2026年見込みの19.9%から、2027年には21.7%へ上昇すると見込まれている。

原油価格の基準を引き下げ、国債発行で赤字を補う

ロシアは石油・天然ガス関連の収入が財政に影響するため、予算編成に「財政ルール」を設けている。これは、原油価格の変動に合わせて政府支出が大きく増減しないよう、一定の基準を用いて財政を運営する仕組みだ。

今回の予算案では、2027年から原油の基準価格を1バレル50米ドルとする前提を採用した。2026年の基準価格59米ドルから引き下げる計画で、より低い原油価格を想定して歳入と歳出を組み立てる。

この50米ドルは、市場の原油価格が必ずその水準になるという予測ではない。予算運営に使う計算上の基準であり、価格上昇によって得られる追加の石油・ガス収入は、原則として政府の準備資金である国民福祉基金への積み立てに回す仕組みとなっている。

一方、通常の財政赤字については、主にロシア国債の発行による借入れで賄う計画だ。

2028~2029年も財政赤字が続く見通し

予算案によると、2028年の歳入は45.83兆ルーブル、歳出は50.95兆ルーブルで、赤字は5.12兆ルーブルとなる見通しだ。

2029年は歳入48.62兆ルーブル、歳出53.87兆ルーブルを計画し、赤字は5.25兆ルーブルを見込む。GDPに対する赤字の割合は、2028年と2029年のいずれも1.9%とされている。

ロシア政府は、国防・安全保障と社会的義務の履行を優先しつつ、歳出の伸びを抑え、2029年にかけて財政運営を安定させる方針を示している。

今回の可決は、歳入・歳出など予算案の大枠を審議する第1読会での決定となる。第2読会は11月19日に予定されており、今後も予算配分などの審議が続く。

出典
Interfax(2026年10月29日)
[原文の記事はこちら]

Kommersant(2026年10月29日)
[原文の記事はこちら]

Kommersant(2026年10月22日)
[原文の記事はこちら]

Reuters/Defense News(2026年9月28日)
[原文の記事はこちら]

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